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「全員分あった?」
すぐ横で歩君が顔を覗かせる。
振り向いて、思ったより近くに歩君がいて、変な気持ちになった。
陽樹も距離は近い方だけど、陽樹の時には感じない何か。
胸がくすぐったい感じがする。
「あ、...うん、あった。手伝ってくれてありがとう」
「全然。気にしないで」
「じゃあ、またね」
ダンボールを抱え込む。
歩君はこの後仕事があるらしい。
それなのに手伝ってくれたことに申し訳なさでいっぱいだ。
廊下で別れて、渡り廊下を進む。
もう一度歩君を思い浮かべる。
優しくて、笑顔がさわやかで。
陽樹とは本当に正反対だと思った。
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