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―――7月も中旬。
学内はテスト期間に突入した。
「だから、そこちがう」
「んー...、陽、ちょっと休憩しようよ」
「無理。ほら次」
自宅の自室。
陽樹という鬼の先生が私の目の前にいる。
やっぱり今回も陽樹なしの勉強は無理だった。
古文や現国以外の教科には早々に手を付けていたものの、文系のその二つは昨日まで手を付けていなかった。
陽樹にふとした時に問題を出されて答えられない反応から、勉強していないことを見破られてしまった。
陽樹がそのことをお母さんに告げ口したおかげで、昨日はお母さんのお怒りがくだったのだ。
そしてお説教が終わった瞬間、お母さんは陽樹に頼み込んで家庭教師という名の陽樹がここにいる事態が発生しているのだ。
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