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何だかやるせない気分に囚われた俺は、トボトボと何の気配もしない魔王城通路を先へと進んでいた。
油断している……と言えば、正しく今はその通りだろう。
このタイミングで襲われたなら、俺は間違いなく苦戦を免れなかっただろうし、もしかすれば大きなダメージを負っていたかもしれない。
回復手段が限られ、それもおいそれと使う事が出来ない俺には、何よりも大きな負傷を負う事が痛手なのに他ならないんだ。
それもまぁ……ソロの宿命って奴なんだけどな。
でも俺には、このタイミングで仕掛けられる事は無いという変な確信もあった。
想像でしかないが、此処まで来れば次の部屋か……最期の部屋か……それとも魔王の部屋か。
もしも襲われるとすれば、そのどれかであろうと考えていたんだ。
そしてそれは、次なる新たに訪れる部屋で事実として明確になった。
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