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「……これはこれは……お揃いで……」
俺は凄まじい殺気を漲らせて此方を睨みつける3つの影に、わざと不敵な笑みを浮かべてそう話しかけた。
前回は、水魔神将ヴァッダーと火魔神将フエゴが、付け焼刃と言って良い共闘で俺に襲い掛かって来た。
それを教訓にした……って訳じゃないんだろうが、今回俺の眼前で仁王立ちしているのは、3人の魔神将だった。
そして恐らくは……残る全ての魔神将でもある。
彼等は事ある毎に言っていた……俺達は12魔神将だと。
そんなナイスな情報提供もあり、魔神将が12人で構成されている事を俺は随分と前から知っていた。
そしてこれまでに9人の魔神将を屠っている。
目の前に3人の魔神将が要るんだから、これで全部だよな。
―――勿論、それで全員だったなら……だったんだけどな。
俺を睨んでいた魔神将たちが、不意に俺から視線を外して背後を見やる。
そして彼等の背後で閉まっていた扉が開き、そこからは……。
4人の、只者ではないとすぐに分かる魔族が現れたんだ!
くっそ―――っ!
あの時土魔神将ゼムリャが言っていた「俺達の背後には」ってのは、奴らの事だったのか―――……。
まぁ、24元帥とか36戦隊って訳じゃなさそうなのが救いだけどな。
……それも、彼等の口から聞かないと分からない事ではあるんだが。
俺は重くなった足を引き摺って、部屋の中央……奴らの正面へと対峙する形に移動した。
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