163人が本棚に入れています
本棚に追加
「さて……戦闘力の差は今みせた通りだ。それでも……まだ戦うのか? ハッキリ言ってお前達に勝ち目は無いと思うが」
俺は3人の魔神将に、最後通牒を突きつけてやった。
この“勇敢の紋章”は、本当なら魔王と戦う時まで取っておこうと思っていた能力だ。
それをこの場で使わせたんだから、奴らは相応の力を持った戦士だと言う事だ。
だからという訳じゃないけど、この戦いに終止符を打つ最後の機会を与えようと思ったんだ。
その方が、俺としても楽でいいからな。無用な殺生をしなくて済むし。
もっとも……奴らの返答は聞くまでもないんだけどな。
「貴様の強さ……ハッキリと身に染みて分かった」
「しかし我等に、負けを認めて生き長らえると言う道はない」
「最後まで……お相手願おう」
奴らは各々の武器を構え直して、相談する事も無くそう言って俺に相対したんだ。
その決意は、決して揺るぎそうもない。
そして、これ以上奴らを説得してやる義理も、俺には無い。
「そうか……」
俺はそれだけ答えて、剣を構えた。
奴らがこの世から居なくなるのは、それからほんの一瞬後の事だった。
最初のコメントを投稿しよう!