勇敢の紋章

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「さて……戦闘力の差は今みせた通りだ。それでも……まだ戦うのか? ハッキリ言ってお前達に勝ち目は無いと思うが」  俺は3人の魔神将に、最後通牒を突きつけてやった。  この“勇敢の(フォルティス)紋章(シアール)”は、本当なら魔王と戦う時まで取っておこうと思っていた能力だ。  それをこの場で使わせたんだから、奴らは相応の力を持った戦士だと言う事だ。  だからという訳じゃないけど、この戦いに終止符を打つ最後の機会を与えようと思ったんだ。  その方が、俺としても楽でいいからな。無用な殺生をしなくて済むし。  もっとも……奴らの返答は聞くまでもないんだけどな。 「貴様の強さ……ハッキリと身に染みて分かった」 「しかし我等に、負けを認めて生き長らえると言う道はない」 「最後まで……お相手願おう」  奴らは各々の武器を構え直して、相談する事も無くそう言って俺に相対したんだ。  その決意は、決して揺るぎそうもない。  そして、これ以上奴らを説得してやる義理も、俺には無い。 「そうか……」  俺はそれだけ答えて、剣を構えた。  奴らがこの世から居なくなるのは、それからほんの一瞬後の事だった。
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