そして勇者は先生に……

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 今現在のレベルはと言えば、クリークがLv12、イルマがLv13、ソルシエがLv14、ダレンがLv15だ。  僅か3ヶ月でここまでレベルを上げる事が出来ていれば上等と言って良い。  一度は死にかけた「トーへの塔」の攻略も難なくこなした彼等に、俺は次の拠点へと向かう事を許可した。  大喜びの彼等は始まりの街「プリメロ」を早々に発って、次なる拠点である「ドルフの村」にやって来ていたのだった。  拠点が変われば、怪物の種類もその強さも変わる。  ドルフの村はプリメロの街に比べれば何もない村だから、クリークが先に進みたいという気持ちを持つのも無理はないだろう。  でもだからこそ……だ。  しっかりと準備を整えなければ、先に進んでも行き詰って挙句命を落とすと言う事になり兼ねない。  俺が彼女達に出した条件は、ドルフ村の北に広がる「霧の沼地」で手強い怪物「キリング・スネーク」を倒し、そのドロップアイテムである「巨蛇の牙」を10本集めろと言うもの。  キリング・スネーク自体は特に懸念する様な処は無い。  巨大な体躯に似合わぬ素早さと、敵に巻き付いて締め上げるその強さが強力だが、特に毒や特殊攻撃を持っている訳でも無い。  ただ沼地と言う特殊な状況で、地の利は相手にある。  こちらは足を取られて普段通り動く事が出来ないから、予想以上に苦戦する事は想像に難くなかった。  でもそう言った様々な状況で、色んな経験を積めば後々にそれらは活きて来る。  こればっかりは、口で教えても身に付かないからな。
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