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頬を赤らめる様子は、ハルカの佐久間に対する思いがはっきり分かる。神崎は上辺だけの笑顔を作りながら内心では嫉妬した。
「栄田はどうして佐久間に惚れたの? こう言うのもなんだけど、異色の組み合わせに思える」
「僕が、その……所謂、男性を好きだって自覚したのは中学生の時だったんだけど、高三の時、思い切って仲の良かった友人にカムアウトしたんだ。そしたら気味悪がられて、それから僕の周りから友人がどんどん離れていって……」
神崎の記憶ではハルカは友人が多かったように思うが、今、ネットワークが狭いのはそういう理由か、と納得した。
「同窓会も本当はどうしようか悩んだ。でも、高校で友人に避けられたのがトラウマになってて、これまで人間関係で上手くいったことがない。同窓会に行ってそのトラウマを克服できたら、僕自身が変われるかもしれないと思ったんだ。……そんな時に秀一が話し掛けてくれて……。秀一も高校時代の噂で僕の性的指向のことは知ってた。でもそれを含めて自信を持っていいって。再会して付き合うまでに二週間もかからなかったけど、僕は僕のすべてを好きだと言ってくれた秀一をたまらなく好きになってた」
ハルカの話に耳を傾けているうちに佐久間の職場の前に着いた。
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