『席』

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『席』

合格発表の日 私は重い足を引きずり、憧れの学校への坂道を歩いていた 学校に着くとすぐに合格番号に目を通す 「‥‥‥‥‥あ、あった」 ほっとし親に伝えようとすると、隣で同じように探している子がいることに気が付いた 気になって右に目をやる (っ‥綺麗な子) 表情1つ変えずに真剣に見ている 何だか受かった私まで緊張してしまう (あの子と一緒の学校に行きたいなあ‥) 無意識にそんなことを思っていると、その子の口角がフッと軽く上がる そして次の瞬間には自信に満ちた高揚した笑顔になった (受かったんだ‥!) ずっと君の事を見てしまっていたようで、私に気付いた君と目が合う 「あっ」 私は慌ててぎこちない笑顔をつくる すると君も軽く優しい笑顔を見せ合格証を受け取りに行ってしまった
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