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餌車場
目が覚めると、太いパイプと複雑に加工された板金が、視界いっぱいに広がっていた。息を吸うと、鉄のさびたような臭気が鼻の奥深くに突き刺さる。背中には固くごつごつした地面。頭を横に向けると、青白く光る出口が薄く長く伸びており、境界を示すように白い線が引かれている。
突然、板金の向こう側で、バタンと何かが叩きつけられるような音が響いた。どこかで聞いたことがある――どころか、よく知っている音だ。
慌てて外に転がり出ると、俺の上に覆いかぶさっていた車は、静かに滑るような運転で走り出した。さっきのは扉が閉まった音だったのだ。電気自動車は静かすぎる。危うく轢かれるところだった。
それにしても、どういう状況だ。
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