265人が本棚に入れています
本棚に追加
第二難、塔の上
ん、ここは、、どこだ……??
コンビニ行って出たら急に光がブワーってなって…
それから意識が無くて……
ああ、病院か……
俺はきっと病院のベッドの上で寝てるんだな…
……なんて、流石の俺もこのボケは酷いな…
俺は今石造りの家みたいなゴツゴツした壁に囲まれている。
その部屋にあるのは、とてつもなく大きな本棚と大きな鏡と小さなテーブル、そして俺が今いる1つの大きなベッドだ。
そして、人1人出れそうな窓が一つだけ。
うん、とてもシンプルな構図だ。
……取り敢えず今の状況を整理しよう……
俺はきっとコンビニで車に跳ねられたはず。
それにもかかわらず、俺の五体は無事…
ん、怪我もなく無事なんだが、手が小さい…ぞ?
てか、幼い気がする。
もしやと思い、俺はベッドから這い出でる。
……目線が低かった。
振り返るとベッドがとても高…ってちょっとなんだこれ、、
エメラルドグリーンの光沢のある綺麗な長い毛…
いや、髪が……
俺のいたベッドの上に、いや、俺の頭へと続いていた。
これ、もしかして俺の髪……?!!
石造りに長髪って、塔の上のラプ〇ツェルかよ!
もしかしてあれか?
ラプ〇ツェルの物語に転生したのか……
いや、でも俺は男だしなあ
取り敢えず鏡だ!俺はまた変な夢でも見てるのかもしれない!
うおおおおおお!
『はあはあ…』
後ろ髪長すぎるだろ……!
この小さな体でどうやって支えるんだよ…
てか、この小さな体でこの長い髪って有り得ないだろ
やっぱり夢かこれは。
と、独りブツブツ呟きながら俺は鏡の前に立つ。
『な……!?』
……俺の顔じゃない
でも、この顔…見たことあるような…
漫画あるあるのほっぺつねりを実践。実際やる日が来るとは思わなんだ。
『痛ッ!』
……超痛い。じんじんする。
てことは、夢じゃないのか…俺は死んで生まれ変わってしまったのか…
なんだこれ、、なんか転生ものの漫画みたいだな
……にしても、この顔…超可愛い……
自分で言うのもなんだが超可愛い…
エメラルドグリーンのすっごく長いストレートな髪に、まつ毛の長いくっきり二重のぱっちり開いた緋色の目をしている。目はぱっちりしているのに眠そうなタレ目がまた可愛い。
……女の子みたいだ。
みたい…?
まさか転生ものあるあるの性別まで変わってるなんてことは……?!!
ゴソゴソ
……ふぅ、
ちゃんと俺のには俺が付いてた。
安心…
「チシャああ!起きたかー?」
あ?なんかおっさんの声が聞こえて…
ドンッ!
うわッ!なんだ……
俺は恐る恐る音のした方、窓のある方へと顔を向けた。
そこには、デカい人間……じゃなくて、
頭に牛の角、背は2m近くで、傷跡の多い強面のツリ目に大きな口……
明らかに人間じゃないやつが立っていた…
「お?もう起きたのか…って、歩けるようになったのか…凄いな!チシャ!流石だ!」
え、あ、この人、じゃないこの魔物、、
もしかして……
魔王……??
なんでって……?
それは前世で俺が描いたあの最高傑作の漫画の
ラスボスのあの魔王に見目が全くもって一緒だからだ。
……だとしたらその魔王が育ててる俺は、
魔王の子供ってこと??
じゃあ、俺は謎の青年キャラってことか…
それならしっくり来る。謎の青年キャラは、エメラルドグリーンの髪色に緋色の目だった。
つまり、、俺は俺の描いた漫画の世界に転生したってこと??
そんなことあるのかよ?!!
「お?どうした?難しい顔して、うん〇っちか?」
は?何言ってんだ魔王……
お前そんなキャラじゃないだろ!
魔王はそんなウ〇チなんて言葉いわねえよ!
あーでも、確かにトイレ行きたいかもなあ…
トイレの場所でも聞くか…
『ん!う〇ちっち!』
……は?何言ってんだ俺……ま、まさか!
いくら前世の記憶があるとはいえ、今の俺の身体に合った言葉しか出ないのか……
「おお、そうかそうか…じゃあおパンツ脱ごうか」
『んやあああああぁぁぁ』
ひいいいいヤダヤダ!魔王にパンツ脱がされるのだけはマジ勘弁ーッ!
「ハッハッ元気がいいなあ!
せーのっひっひっふーひっひっふー」
もう嫌勘弁してくれ……
最初のコメントを投稿しよう!