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都会のしがらみがめんどくさくなって、この人の気の少ない森に越してきたらしい。驚いたことに、たまに祖母が育てている果物を祖母から貰っているらしい。ばあちゃん、何で黙ってたんだろう…… 基本的には友彦が話していた。 ようこさんは友彦の学校や日常生活の些細な出来事でも目を光らせて聞いていた。さながら、買いたてのゲームに没頭する子供のように。 「――――っは!」 友彦は少し眠ってしまった。 頭が落ちて、意識が戻る。 ようこさんはあははっと微笑む。 「もうかなり夜中だしね。話はおしまい!ごめんね、こんな遅くまで」 「いえ、僕の方こそすいません。勝手に入って」 「それはもういいの!それより、かなり遅いけど大丈夫?泊まっていく?」 友彦は祖母の目を盗んでここに来ているので、家に帰らないのはまずい。 「いえ、すぐそこの家なんで大丈夫です」 友彦はようこさんと別れ、祖母の家の方向へと歩きだした。 「はぁっ、どうして」 祖母の家はようこさんの家から目測五分くらいの位置にあった。しかし、もう十分は経っている。 少し焦りながら早歩きになる。 「あっ」 懐中電灯も切れてしまった。 友彦はポケットから携帯電話を取り出し、それのライトを使った。 懐中電灯よりかなり照らせる範囲が狭くなるが、致し方ない。 友彦は歩きながら考える。 これはあれだろうか、妖怪かなにかだろうか。そういった類いのものをよく知らないが、そうとしか思えなかった。     
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