緩序楽章 黄金の指輪

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緩序楽章 黄金の指輪

 堕天使とは主なる神の被造物でありながら高慢や嫉妬がために神に反逆し罰せられて天界を追放された天使、自由意志をもって堕落し神から離反した天使である。  キリスト教の教理では悪魔は堕落した天使であるとされる。  道徳上の頽落とする説、品格の喪失とする説、天からの追放すなわち文字通りの落下であるとする説、自らすすんで神に背き天を離脱したことをもって堕落とする説を挙げている……………  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「なんで僕だけ此処に居なきゃいけないの」 「学校に行きたい」 「胸もお腹も気持ち悪いの」 「誰か居ないの」「苦しいのこの点滴取ってよ」 「背中のお注射もう嫌だよ」 「もう吐けない」「退院したら頑張るから帰りたい」 「外に出れたら何でも出来るのに」 「治してくれたら何でもあげるよ」  小学生1年生の俺は、身動きの出来ない病院のベッドの上で毎夜同じ天井を見つめていた、このまま永遠であるかのように………。  今の俺にとっては遠い昔の話だ。 「ああもう3時か、後3時間しか寝れないな」     
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