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「そっそうだ夢なんだし後3時間は寝れるな」
神流は恐怖を誤魔化すように唾を飲み込むと、ベッドに舞い戻り布団を頭に被った。
夢だ、夢であって欲しいと心から願いながら眠りについた。
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また夢なのか?
横になったまま空中に浮いた裸の神流が居る。
何故か懐かしい。
瞼を閉じているのに、真上から羽の生えた光を放つ裸の美女が俺を視ているのが解る。
瞼を閉じたまま、その光を見て感じてとっている。
その美女の顔を見ようとしても見えない、何もない何も存在しない空間に2人だけ浮かんでいる。
身体を透過していく光がまとわりつき触れては通り過ぎていく最中、光達に押されていく。
反応し声を発しようとしても喉の気道が熱くなり、赤子の悲鳴を上げ沈黙してしまう。
瞼を閉じたまま、眼球を動かす事も無く光を直視している。
自分もこのまま光に沈み溶けて何かの1部になっていくのだろう。
何も解らない思考が覚束無い、俺であろう存在が手を伸ばし光の中の羽に触れようとした刹那。
思い出した。
『契約は約束よ』
「ひかり、なのか?」
『逢いたかった、新しく結ぶわ』
羽の生えた裸の美女の光体が透き通るように俺に重なり始める……………
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