死霊術士は起きられない

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  (さて、勇者ご一行ってのはどんな奴らなんかねえ)  第一声を問題なく告げられたことで多少の心の余裕を取り戻したビャコウは、侵入して来た四人の男女に改めて目を向けた。  先頭に立ち、細身の剣を構える金髪の少年が世間の言う「勇者」とやらだろう。その称号は「魔王の天敵」とも呼ばれ、不浄を浄化する力を持つらしい。  勇者の右後ろには、逆手で短剣を構える女がいる。年齢は二十代前半くらいだろうか。痴女としか思えない最低限しか体を隠していない服装で、褐色の肌を晒している。  もう一人は、隣の女とは真逆で、全身に鎧を着込んだ少女。歳は勇者と同じでまだ十代だろう。あまり大きくない体で自身の体躯に近い盾を構え、見ていると装備に潰されないか心配になってくる。  最後尾に控えるのは、深緑色のローブを着た老人だ。杖を持っていることから自分と同じ術士だろう。 「お前が噂に聞く四天王か。確かに他の魔物や魔人とは格が違うようだな」  勇者が剣の握りを確かめながら言う。  敵に評価されると照れてしまうのはどうしてだろう。 「うむ。我輩もこやつからは今までに感じたことのない程の力を感じる。気を引き締めてかかる必要があるようだの」  術士の老人が勇者に続く。  ジジイに褒められてもあまり嬉しくない。 「なんにせよ、術士が相手ならアタシが潜り込んで首を掻っ切れば済む話さ。あいつは部下も連れていないようだしね」  露出の激しい女が短剣の刃を舐める。  確かにここに立っているのは自分一人だけだが、それは配下の魔物にある特別な任務を命じているからだ。決して相手を舐めている訳ではない。 「皆さん、敵の攻撃が読めないうちはわたくしの後ろに隠れてください。全力で守ります!」  盾を持つ少女が声を張り上げる。  着込んだ鎧と同じで堅物そうな印象だ。  
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