雨の魔法少女と魔女裁判

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「ねぇねぇ春風のお姉ちゃん、僕お願いがあるんだ! ちょっと小一時間聖堂に入りたいんだけど、駄目かな??」 茉穂は手を合わせ上目遣いで懇願する。 お前、そんな事も出来るのか! 昼休みに聖堂付近を彷徨いていると思えばこれが目的だったとは! 「えっ、やっ…しかし、 関係者以外の立ち入りは…」 渋るエロフ。 「そっかあ、全面戦争を回避してゴブリン族と平和条約結ばせた僕は部外者かぁ だったら仕方ないよね。 図書館でテスト勉強して帰るよ。行こうナレタ」 「仰せのままに」 茉穂は諦め、他人行儀に得譜ヶ丘先輩とか言って踵を返す。 「あっ、ちょっ… お待ちなさい、 解りました…少しだけ! 小一時間ですわ、テンプルナイツの名において聖堂への立ち入りを許可しますわ!」 茉穂は足を止め、振り替える。 三日月の如く口を吊り上げて笑うその表情は何だか怖かった。
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