雨の魔法少女と魔女裁判

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聖堂と言うだけあって、中は小規模な礼拝堂となっており 長椅子が並び、50人程の収用が可能だがとても全校集会などは出来ぬこじんまりとした物だった。 「ここって何だか天狂教団魔導師事務所のお堂に似てるかも」 茉穂が何となくそんな事を言った。 「まあ、偉藤さんも一応ここのOBだから西洋式の建物だし似てくるのも不思議じゃないさ。 ただし天狂教団(てぃんくる)は占星術に基づいているので、あちらの礼拝堂には巨大な天体望遠鏡が備わっているがね」 「そーなんだ? スタートゥインクルなの??」 厳密には教典も違う。 都立建斗麻豊十加賀久能学園中学校は魔導師育成の為の魔女崇拝の教えだが、 天狂教団魔導師事務所は占星術を用いた退魔を目的とした魔女排斥の派閥だ。 「いや、色々ややこしいからこの話題はここまでにしておこう…」 私は神父の立つ宣教台に到達。 ステンドグラスからは外の光が投射されより神秘性が演出されている。 「思ってたより埃っぽく無いね」 「ああ、ここは定期的にゴブリンが掃除しているからね」 「人間は駄目なのにあんな下等生物の出入りは良いの!? 重大な人権問題だよ!?」 「君の発言の方が問題だよ」
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