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当学園では数々の妖精達が住まい、学校行事に従事している。
荷物の運搬や移動教室の資料の搬入や、毎日の学園内の掃除が主な仕事だ。
いかにも魔法学園ものらしいファンタジーな世界観に、
魔法を使えない科学科と剣術科の生徒は大いに戸惑う。
と言うか、今まで普通に生活してきて絵本の中の存在だと思っていたピクシーやトロールが学園を闊歩している姿にぶったまげる。
職人気質で肩身の狭かったドワーフやエルフに虐げられてきた荒くれ者のゴブリン達も学園での権利が認められ、最近徐々に顔を出す様になって来た。
「えっと、資料室は…?」
礼拝堂の奥まで行き着いて茉穂が戸惑う。
「ああ、そこの賢者の像の台座の裏にスイッチがある。
押せばRPGみたいに扉が開くよ」
「携帯式対戦車擲弾発射筒 ??」
茉穂は小首を傾げる。
ゲームとかやって来なかった男の娘なのだ。
って言うか、逆に何でそっちを知っているんだ!?
石像の人物は都立建斗麻豊十加賀久能学園中学校創立者の
科学の大賢者、 加賀久能節李とされている。
彼は左手に書を携え、右手には剣を手にしていた。
因みに剣は
建斗頼土の祖父、
建斗神魏が魔法により変化した聖剣の事である。
今その聖剣は建斗頼土くんの元にあるので石像はドヤ顔で拳を振り上げているちぐはぐな外見となっている。
加賀久能節李は研究室チーフの加賀久能正李先輩の祖父であり、魔法と科学の融合という偉業の基礎を担った人物として伝えられている。
顔は老けているせいか、英雄っぽく誇張されているせいか
加賀久能正李先輩とはあまり似ていなかった。
「解った、こいつを壊せばいいんだね!」
茉穂は拳を握る。
「ちょっと待て、拳を痛めるぞ」
「解った、武器使う」
私は飴野茉穂という人間を理解していなかった。
てっきり特別な場所に来て変な風にテンションが高まって悪ふざけをしているのだと思い、
ジョークを言ったつもりなのだったが、
あろう事か彼は水鉄砲で石像を撃ち砕いたのだった。
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