第1章

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ふと、手を伸ばしてる寺嶋(先輩)が目に入る。 ー仕方ない。 ポス、と手を丸めて掌に右手を乗せてやる。 「よーし、よしよし。っじゃねぇ!俺にもお茶は?先輩!俺、先輩!」 『僕はお茶係ではありません。』 「伊吹にはくれてやったじゃねぇか!」 『伊吹先輩とは天と地の差があります。同等にしないでください。』 僕に言い返そうとした先輩が口を開いたと同時に、ガチャ、と扉が開く。 「朝から元気そうだな。」 「「『部長…』」」 「こんなに喋ってるなら、今週末は皆んな残業なしで済むみたいだな。」 「「「『…。無理(っス)です』」」」 「なら、やりなさい。」 「「『はい…。』」」 「あと、成宮。」 『はい。』 「そろそろ構成は決まってきたか?」 ハッとしてメモを見るも、そうだ。 寺嶋に邪魔されたんだった。 ジロリと先程の恨みを込めて寺嶋を睨んだ後、部長に、 『ちゃんと文書にはしてないんですけど、今回は大胆に攻めてこうと思ってます。』
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