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ふと、後方が静かなことに気付く。
『ど、どうしたんですか、先輩。』
「、いーんや。なるちゃんも大変なんだな。と思ってさ。」
不気味だ。不気味過ぎる。
あんなに煩い先輩が黙って様子見した後に、ニヤニヤ笑っているのは、どう見ても、不気味としか言えまい。
『なんか、そういう顔されると腹立たしいですね。』
「ん〜?なんでちゅか〜?わからず屋のなるちゃーん?」
クッッ!腹立つ!
先輩という事実には目を背け、睨みつける。
とはいえ、睨みつけられた本人はフッフフーン♪と鼻歌を歌い、どこ吹く風だ。
すると、いつの間に終わったのやら、やっといつもの落ち着いてる志貴が戻ってきた。
「どうぞ、ごゆるりと。」
シェフはそう言い残して、厨房へ戻っていく。
なんか嵐みたいだったなぁなんて思いつつ、早速気になることを聞いてみる。
『志貴、』
「ん?」
『真澄さんもカップラーメンとか食べるの?』
え。なんでそんな驚いた目でみるの…?
「えええー。なるちゃんそこかよ…。もっと気になる所、あるだろうに…。」
気に、なる、とこ…?
志貴は、目を張ってこちらを見た後、優しくふわりと微笑む。
「俺、周のそーゆー所、好きだよ。」
…?
“そーゆー所”ってどーゆー所…??
『そーゆー所って「おぉ?公開告白かい、志貴くん?」』
「いや…」
っていうか何回僕の発言邪魔すれば気が済むんだ、この中年オヤジ!
『〜‼︎なんっっで、いっつも僕の発言に被せるんですか!!頼んだショートケーキ、イチゴ食べちゃいますよ!!』
「わわっ!それは勘弁…、なるちゃん許して〜」
慌てる寺嶋先輩を見て、思わず苦笑してしまう。
『…未だに好きな物は最後に残しておくんですね。』
「そればっかりはなぁ…、治んねーわ笑」
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