第1章

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ふと、後方が静かなことに気付く。 『ど、どうしたんですか、先輩。』 「、いーんや。なるちゃんも大変なんだな。と思ってさ。」 不気味だ。不気味過ぎる。 あんなに煩い先輩が黙って様子見した後に、ニヤニヤ笑っているのは、どう見ても、不気味としか言えまい。 『なんか、そういう顔されると腹立たしいですね。』 「ん〜?なんでちゅか〜?わからず屋のなるちゃーん?」 クッッ!腹立つ! 先輩という事実には目を背け、睨みつける。 とはいえ、睨みつけられた本人はフッフフーン♪と鼻歌を歌い、どこ吹く風だ。 すると、いつの間に終わったのやら、やっといつもの落ち着いてる志貴が戻ってきた。 「どうぞ、ごゆるりと。」 シェフはそう言い残して、厨房へ戻っていく。 なんか嵐みたいだったなぁなんて思いつつ、早速気になることを聞いてみる。 『志貴、』 「ん?」 『真澄さんもカップラーメンとか食べるの?』 え。なんでそんな驚いた目でみるの…? 「えええー。なるちゃんそこかよ…。もっと気になる所、あるだろうに…。」 気に、なる、とこ…? 志貴は、目を張ってこちらを見た後、優しくふわりと微笑む。 「俺、周のそーゆー所、好きだよ。」 …? “そーゆー所”ってどーゆー所…?? 『そーゆー所って「おぉ?公開告白かい、志貴くん?」』 「いや…」 っていうか何回僕の発言邪魔すれば気が済むんだ、この中年オヤジ! 『〜‼︎なんっっで、いっつも僕の発言に被せるんですか!!頼んだショートケーキ、イチゴ食べちゃいますよ!!』 「わわっ!それは勘弁…、なるちゃん許して〜」 慌てる寺嶋先輩を見て、思わず苦笑してしまう。 『…未だに好きな物は最後に残しておくんですね。』 「そればっかりはなぁ…、治んねーわ笑」
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