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そう笑う寺嶋を横目に、昔から知っているような言葉に志貴は、怪訝な顔をする。
それを感じたのか寺嶋は、
「あー…そういや、言ってなかったっけ?俺ら高校同じなんだわ。」
「えっ?そうなんですか??」
驚いたのか志貴は僕を見遣る。
志貴の視線に気付き、渋々
『不本意ながら…。』
と肩を竦めて言う。
同じ部活に所属していたのもあって、高校では先輩、後輩として交流していたのを思い出す。
加えて偶然にも就職先が同じ会社、部署とあっては、知らなくていい情報も知ってしまうというのが理である。
「高校では同じ部活、就職先も同じ部署…、なるちゃん俺のこと好きすぎだべ?」
『先輩こそ僕のこと好きすぎ。』
「うんうん!大好き!を超えてなるちゃん愛してる〜!」
『…嘘ばっかり。
詐欺師になったら収入ゼロでしょ。』
「おぉ?!それは逆に俺の事、正直者って褒めてくれてんのかーな??」
『チッ。
もう、ウザイ。ほんと先輩ウザイ。』
この人ほんとひねくれてる。口達者だし。
ほっぺ膨らんでるなるちゃん、かわいい〜とか言ってるやつなんか知らないし。
ふと隣を見ると何やら複雑そうな顔をしてこちらを見ていた志貴と目が合う。
『?』
首を傾げると何故か頭をナデコナデコされた。
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