切りとって、、できるなら ヤキモチ

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カップラーメンと、タバコと水を買って外に出る。 駐輪場からチャリで出ると、いつもは暗い通りがほんわりと明るい。 今夜は満月なんだな。 それも大きくてピンクで、なんか綿飴が浮かんでるような月に漕ぐ足が止まる。 空を見上げることなんて滅多になかった。子どもの頃からいつも俯き加減だった俺の首はほっておくとすぐに傾ぐ。 思い切って顎を上に向けると俺の両眼にしっかりと終わりかけた秋の夜空が拡がっていた。 チャリを止めてそれを見上げてる俺の横からコンビニの駐車場に入ったのはなんかやけに高級そうな車だ。 なんつったかな。 車の雑誌で見たことのある…… あぁ、 思い出した。 ベントレーってやつだ。 うらぶれたコンビニの駐車場には全く似合わない、それどころか傷つけられないかと心配になるような高級車は狭い駐車スペースに二度ほど切り返して止まると、エンジンの音が消えた。 こんな車に乗ってるやつがコンビニで買い物? どんなやつが降りてくるのかと興味が湧く。 運転席から男が、助手席から女が降りてきた。 薄いグリーンのスタイルを誇示するようなタイトなワンピースの生地は、 女の服に疎い俺でも高級だとわかるような畝るたびにキラキラと波打ってる。 いかにもセレブっぽい細長い首には本物としか思えない真珠の二連のネックレスが揺れている。 男の方は、黒っぽいスーツを着て背の高いやけに姿勢の良い姿で、 この横顔あれ?この人は! 凌さんの…… 改めて俺は二人の姿がよく見えるように跨ったチャリから降りた。
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