38人が本棚に入れています
本棚に追加
「それってどんなふうに自意識過剰なの?」
聞くと、純さんはただ微笑った。その大きな目の端からとろけていきそうな、幸せそうな笑顔が俺の肩に預けられる。
「笑ってごまかすのかよ」
そう言いつつも、俺の身体はまた性欲の方に引っぱられていく。純さんの笑顔とぬくもりと肌の匂い、そういうものが近くにありすぎて、目の前がかすんでくる。
「自分で考えながら演じてみて」
ぎゅっ、と俺を包んでいる腕に力をこめる純さん。もうダメだ。限界だ。難しそうな課題は後回しでいい。
がっしり捕らえるように純さんを抱きしめた。感触を味わうためにゆっくり唇を重ねて、濃厚なキスをしかける。
「電気は消さねえよ」
そう言った途端、揺れる瞳。何回エッチしたもんか数え切れないほどなのに、演じるとなったら全裸だって平気なくせに、こういうのは恥ずかしいらしい。そりゃいじめがいもあるってもんだ。
にやにやしながら、またジュンイチって呼んだら、純さんはかすかに潤んだ目でにらんできた。全然怖くなんかねえ。むしろそそられる。
「……芝居イメクラなんて、カンベンしてくれよ」
ぼそぼそ言うのをスルーして、ぶつかるぐらいにぐっと腰を引き寄せて乱暴にキスした。お互いの欲情がふれあうように腰を動かす。一瞬純さんがキスをやめようとしたけど、そんなのは許さない。
「あっ、凌ちゃ……」
ぐりぐりっ、と乳首をつまんで強く刺激。たちまちやらしい顔になって、語尾と長いまつげが震える。たやすく俺の腕に堕ちてくる、純さんの身体。
今間違いなくこの人は俺んだ。ちゅうか、こんな純さんを他の誰かも知ってるなんて、ありえねえ。
俺だけだろ? この人の性格考えても、そう簡単に他人になんもかんもさらけ出すはずねえし。
それに、俺一人じゃ満足できてないとしたら、どんだけ淫乱なんだ、って話だ。たいていは俺自身が満足するまで、純さんにしたらもうたくさん、ってぐらい満足させてる自信あるし。
「んっ、あ、あっ……」
後ろに手をつき、Tシャツを大きくまくり上げた胸をそらして、純さんはもうすっかり快感に我を忘れてる。ちょっと胸責めただけでこんなふうになるなんて、感じやすすぎだろ。こんなの、誰にも見せらんねえって。
最初のコメントを投稿しよう!