SCENE2

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「それってどんなふうに自意識過剰なの?」  聞くと、純さんはただ微笑った。その大きな目の端からとろけていきそうな、幸せそうな笑顔が俺の肩に預けられる。 「笑ってごまかすのかよ」  そう言いつつも、俺の身体はまた性欲の方に引っぱられていく。純さんの笑顔とぬくもりと肌の匂い、そういうものが近くにありすぎて、目の前がかすんでくる。 「自分で考えながら演じてみて」  ぎゅっ、と俺を包んでいる腕に力をこめる純さん。もうダメだ。限界だ。難しそうな課題は後回しでいい。  がっしり捕らえるように純さんを抱きしめた。感触を味わうためにゆっくり唇を重ねて、濃厚なキスをしかける。 「電気は消さねえよ」  そう言った途端、揺れる瞳。何回エッチしたもんか数え切れないほどなのに、演じるとなったら全裸だって平気なくせに、こういうのは恥ずかしいらしい。そりゃいじめがいもあるってもんだ。  にやにやしながら、またジュンイチって呼んだら、純さんはかすかに潤んだ目でにらんできた。全然怖くなんかねえ。むしろそそられる。 「……芝居イメクラなんて、カンベンしてくれよ」  ぼそぼそ言うのをスルーして、ぶつかるぐらいにぐっと腰を引き寄せて乱暴にキスした。お互いの欲情がふれあうように腰を動かす。一瞬純さんがキスをやめようとしたけど、そんなのは許さない。 「あっ、凌ちゃ……」  ぐりぐりっ、と乳首をつまんで強く刺激。たちまちやらしい顔になって、語尾と長いまつげが震える。たやすく俺の腕に堕ちてくる、純さんの身体。  今間違いなくこの人は俺んだ。ちゅうか、こんな純さんを他の誰かも知ってるなんて、ありえねえ。  俺だけだろ? この人の性格考えても、そう簡単に他人になんもかんもさらけ出すはずねえし。  それに、俺一人じゃ満足できてないとしたら、どんだけ淫乱なんだ、って話だ。たいていは俺自身が満足するまで、純さんにしたらもうたくさん、ってぐらい満足させてる自信あるし。 「んっ、あ、あっ……」  後ろに手をつき、Tシャツを大きくまくり上げた胸をそらして、純さんはもうすっかり快感に我を忘れてる。ちょっと胸責めただけでこんなふうになるなんて、感じやすすぎだろ。こんなの、誰にも見せらんねえって。
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