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「あー、山田くんならね、最近疲れてて休ませてるんだよ。日本からの転生者が無茶ばかり言ってね。夜も眠れないらしいから。」
それってどうなの?転生者、迷惑掛けすぎ。人のこと言えないけど。
「あ、あと5分で書いて。もうすぐここ閉めるから。」
んー、どんだけお役所仕事なの?今どきの公務員さん、もっと親切だよ。
一か八か、ダメもと。なるようになれ。
「じゃあ、遠距離の通信能力と、わたしの部屋にあるドールハウスと、ドール用品を実体化する能力ってできますか?」
「ドールハウスって、ミカちゃんとかのあれだね。そんなもので良いの?」
主幹さんは少し考えてから、書類に判を押してくれた。
「あと、君の身体はバラバラになったから、部屋にあった一番思いの強い人形に宿して人化させるよ。実体化させる品物は多すぎるみたいだから、あとから購入できるようにしとくよ。」
主幹さん、やっぱり常識人だわ。平成日本の非常識さが判ってないね。
「時間だから行ってもらうけど、転生先の希望が書いてないからランダムで送るよ。細かいことは冊子を読むように。じゃあ、妖魔にやられないようにね。」
時計の針が5時を指し、サイレンが響く。やっぱり村役場じゃない。徐々に意識が薄れる中、なんだか最後に重要なこと言われたような気がした。
第2話予告
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