スマホデビューの日

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莉織はすごくいい人だ。 学年一位の成績を難なく取るくせに、それを鼻にかけるようなところはない。 《天災》の話だってそう。 私も、まあ頭はいい方だけど。 やっぱりそれは《秀才》で止まってしまう。 担任に言わせれば、「何かやらかしそうな所が全くないから」なんだとか。 確かに莉織は、二日に一回何かをやらかす。 それは、ケンカだったり、度を越した人助けの結果だったり。 でもそんな計り知れない所を指して、みんなは彼女を《天才》と呼ぶ。 そんな莉織に私は。 少しずつ劣等感を感じていた。 一緒にいると忘れられるくらい、少しの。
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