近いのに、届かない

prologue

私が、あんなことしなければ。

もしかしたら、まだあの子は私の親友だったのかもしれない。

私が、あんなことしなければ。

あの子と彼は、幸せでいられたのかもしれない。

何度後悔しても。
何度泣いても。

あの子は、私の傍にはもういてくれない。

私が、恋なんてしなければ。
あの子の気持ちを、考えてれば。

こんな悲しい物語は起きなかったのかも、しれないけど。

これは、私とあの子の友情と恋のお話。

そして、運命のイタズラの、残酷さのお話。