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「そろそろ時間だな。」
朝日が差し込む庭先を台所から見つめ、元カーネル・ボーンこと
“骨武者 銀蔵(ほねむしゃ ぎんぞう)”は若干、骨が見え隠れして
あんまり擬態出来てない人間面をキリリと引き締め、勢いよく鳴り響く目覚まし時計を
止め、貸家ローン30年分だけど一戸建ての“我が家兼アジト”に叫ぶ。
「皆ぁー!朝だぞーっ!?起きろー!学校遅刻すっぞー!!」
ボーンの声に連動するように、ドタドタ階段を駆け下りてくるのは
元ヤドカリ+カレー要素?型怪人、現在は褐色八重歯!元気系女子高生に変身した
“ヤドカリー”がリビングに現れ、そのまま盛大に転ぶ!
「痛ったぁ!ボーン!あれ、あれ持ってきて!絆創膏!もしくは赤ちんカリー」
「怪人名で呼ぶな、馬鹿者!そこはお父さんか、骨おじさんで行こうって、打ち合わせで
決めたじゃん!」
「いや、どっちも無理あんだろ?」
倒れるヤドカリーを踏み付け“ザリガニ要素”は髪の毛の色のみになった同じく女子高生
のザリガニーソが、とても不機嫌そうにテーブルにつく。
「おはよう!ニーソ、んっ?あれぇっ?ニーソックス穿いてない?昨日洗濯したし、
予備もいっぱいあるぞ?どうした?いわゆる反抗期か?グレゴリオ聖歌か?」
「グレゴリオは知らねぇよ…てかよ、ここに来て何日か忘れたけどよ、
毎日言ってる話だけどさ。何で、俺等、女子高生なん?」
「お、おまっ、それはなぁっ!?」
凄く不機嫌な面構えの彼女、“ツンデレ素体”を用意したのにツンしかないザリガニーソに
マシンガントークばりに言葉を返す。
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