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目の前の道を「別に泣いてねーよ!もう構うな!!」って感じで振り払う、
涙目の赤髪女子高生と、カレーパンを口に咥え、同じ制服を着た褐色少女が追う様子が映る。カレーパンの方は何故かニーソックスをヒラヒラ手になびかせていた。
(あの涙面を涙以外でグシャグシャにしてぇな)
男は黄色く変色したグシャグシャの歯並びを歪ませ、笑顔を作る。彼は“異常者”だった。
およそ常人が求める快楽では満足しない。人の泣き叫ぶ顔、血を流し、苦しむ姿のみに
興奮する。より深い快楽を求め、弱いモノを痛めつけてきた。
今日は、それ以上の快楽を約束してくれる。彼と共通の嗜好を持つ仲間達で“狩り”を行う。手筈はリーダー格の人物が全て揃えている。仲間達の元へ向かう男の笑みは
更に大きくなった…
「おはよー!はーさん、んんっ??どうしたの?元気ないよー!」
「うっせぇ!俺に話かけるな。」
「はーさん、何度も言ってるでしょ!女の子が“俺”とか言わないの!!」
「ああ、うるせーな。全く、もう!!」
ヤドカリーのしつこい慰めを逃れ(クラスが違うのは、本当にありがたい)
むくれ顔で教室に入ったザリガニーソこと“波佐見 くみ子(はさみ くみこ)”
は仇敵で今は同級生のファニーライトこと“光 あかね(ひかり あかね)”に
見つかり、過剰に暑苦しく心配されている現状を送っていた。
「何か悩みがあるなら、相談乗るよ!進路、家庭の事情?友達関係?
困ってる事を話してみよー!」
「ええっ!はーさん、どうしたの~!!」
あかねの声に、教室にいた他の女生徒達が自身の周りに集まってくる。こめかみを抑える
ニーソ、何が嫌かって?そりゃ一番は…
「全員、元敵だって事だよ…」
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