再会

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 珠子は収穫したイモを『友の家』に持っていこうと思い、出来るだけ大きなものを選別した。  あれからちょうど一週間経った。 一樹も帰っているかもしれない。 期待を込めて一目遠くからで良いから見たいと思っていた。  麻袋に入れ肩に担ぐ。 少々重たいが足取りは軽かった。 小一時間ほど歩き『友の家』についた。 遠くから眺めていると、あの柿を取っていた少年が庭先で皆の面倒を見ていた。 葉子の姿は見えない。 周囲を見渡しながら、珠子は玄関らしい場所に行き、「ごめんください」と声を掛ける。 「はーい」  少年が庭から迂回して顔を出す。 「あ、この前のお姉さん」 「こんにちは。今日、これを皆さんに持ってきたの」  麻袋のイモを差し出すと少年は目を輝かせ、「うわー!みんなおいでよっ!」と大声をあげる。 「なになにー」 「どうしたのお?」  子供たちがワイワイやってくる。  五歳くらいから十歳くらいまでの子供たちがイモを眺め、目を輝かせている。 「ありがとう!」  少年は礼儀正しく頭を下げた。 「少しだけど仲良く食べてね。あの……。今シスターはいらっしゃらないのかしら」 「シスターはね。戦争から帰ってきた兄ちゃんと姉ちゃんと教会へ行ったよ。夕方には帰るみたい」 「そうなのね」 「あ、そうだ。おイモありがとう。シスターに言っておくので名前教えて」 「えっ。あ、はい。キヨと言います」 「キヨさん、ありがとう」 「ありがとう」  子供たちは皆きちんと礼をのべる。 葉子のしつけが行き届いているのだろうと感心して珠子もきちんと頭を下げた。 「それじゃ、また。ごきげんよう」 「さよならぁ」  珠子は手を振り立ち去る。
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