月夜

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 肩を寄せ合って時間を過ごしていると雨が上がり、月が出ていた。 「今なら、お帰りになれます」 「帰りたくないが、しょうがない」  浩一は立ち上がって外に出た。 扉の所でもう一度口づけを交わす。 二年の想いが花開くような気がした。 「また、来てもいいかい」 「ええ。おまちしてます」  恥じらって頬を染める葉子はどんな乙女よりも可愛らしく愛しい。  胸元に手をやり、二人の愛液をしみこませたハンケチを大事そうに抱いている葉子を見ながら、 後ろ髪を引かれる思いで屋敷に戻った。
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