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お昼近くまで寝ていた昨日までとは打って変わって今日から3学期。そのことに気が付き、慌てて布団を取り、クローゼットの中の制服に手を伸ばす。朝食を食べないで支度をすれば間に合うはずだ。
が。
ブレザーを羽織り、スカートを履こうとした。ぽよぽよのお腹にもぴったりとフィットしていたウエストが、入らない。ホックが閉まらない。
「ママー、ホックが閉まらないよー」
階段で下へ駆け下りた。ホックが閉まらないという現状を母親に見せつける。きっと年末年始の食べ過ぎで更に太ったに違いない。
「仰向けになって履いてみな、お腹が凹んできっと閉まるはずだから」
太ったから、と、言わないところが母親らしかった。
言われた通りにその場に仰向けになり、再度履いてみる。ホックは何とか閉まった。だが、立ってみるとウエストの上は見事にお腹の肉が乗っかってしまい、少しきつかった。
「入った!…でも少し苦しい」
「今日はそれで我慢して。帰ったらお直しするから」
「ありがとう」
急いで身嗜みを済ませ、家を出る。自転車にまたがり、全速力で自転車をこぐ。朝食を食べていないので、力が出ない。朝食を食べないのはいつぶりだろうか。お腹の音がグーグーなって仕方がなかった。
「ねえ、お腹の音鳴ったの聞こえたよね」
「…うん、結構聞こえた」
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