楓のダイエット

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 「かえちゃんには言ってなかったんだけれどもね、中学の時いじめられてたんだよね。ブス、キモい、デブはショートパンツ履くなってね。陰で散々言われてたんだよ。食べることでストレス発散して更にどんどん太っていって。引きこもりになって親からも休みの日ぐらいは外出ろって言われる始末。で、ある日、Twitter見てたらある女の子のツイートが流れてきて。『昔はこんなに太ってたけれども痩せたら人生変わりました』って写真載せてて。びっくりしたんだよ、まるで別人。それで自分も痩せてこうなりたいなって思った」 と、それを見せてくれた。驚いた。穂叶の言う通り、別人のようだった。  「そうだったんだ…」  申し訳なかった。穂叶に辛い過去を思い出させて話させてしまった自分を責めた。  「ダイエットしてたこと、言ったら馬鹿にされると思って話さなくてごめんね」   痩せた穂叶は、服や髪型など美容に気を遣うようになり一段とかわいくなった。以前のように、服は毎回同じで、髪の毛はぼさぼさだった面影はもうなかった。  自分も痩せて服をカッコよく着こなしたい。かわいくなりたい。穂叶の話を聞いたら突如そのような気持ちが沸き上がってきた。  「ほの、ダイエットしたい。痩せて今までデブって言ってきた人見返したい」  「本当?それなら出来ることは協力するよ。自分もダイエットはしてないけれども腹筋つけるの目標だし一緒に頑張ろうよ」  これからやってやるぞ、と思い気分が高まった。  と、そこへタイミングよく注文したピーナッツバターサンドが運ばれてきた。  「なんか楽しそうな話してたね。何話してたのよ?」     
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