今日という日

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今日という日

どうするの?この荷物…。 仏壇、写真、本、御守り。 私はそれを見るたび、暗くなる。 やっとの思いで母親を新興宗教から引き離し、 私の所へ夜逃げ同然で連れてきたのに、呪われる恐怖から新興宗教の物を捨てられない私達親子。 私は、母親に虐待されて育ったので、本音を言えば引き取りたくなかった 二十歳の時 私は実家とその宗教から脱出したいがために出会って4ヶ月の男と結婚した。 誰でも良かった あの宗教から逃れられるのなら 二十歳なら親の承諾はいらない。 それだけで結婚した。 相手の会社の社長が私をえらく気に入り、周りを固められたのもある。 私は結婚の半年前、19歳の時に婚約破棄していた 一番の原因はその宗教。 私は彼を巻き込みたくなくて別れた。 私との結婚を認めるから入信させる 信者獲得のために 私を餌にして…。 やり方が汚い親に反発した 私が宗教の本部に行きたくないと父親に言うと ボコボコに殴られた。 息ができない。 立ち上がろうとすると鉄拳がとんでくる 何発も何発も…。 私は「許さない。絶対に許さない。いつかこいつらを殺してやる。」 そう思いながら、父親の暴力に耐えていた。 「和!!逃げて!!」 ふと顔を上げたとき、母親が父を全身で阻止していた。 その時私は19歳 婚約していた人がいたけれど、もうダメだと自暴自棄になり、別れた 二十歳なら親の承諾はいらない。早く二十歳になりたい。 早く結婚をしてここから逃げたい。 その思いだけで決断した結婚だった。 そう長くはもたなかったけど…。 それでも、私はその宗教から脱退できた喜びでいっぱいだった。
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