堕ちたる才が紡ぐ未来

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「魚屋じゃねぇって言ってるだろう!俺は元八百屋だ!」  唾を飛ばしながら魚屋こと八百屋は、再び酒を煽るとすぐさま口火を切った。 「サラリーは解るよ、サラリーマンだったってんだから。何で長老は長老なんだよ!」  魚肉ソーセージを齧りながら、酒臭い息を長老に吹きかけた八百屋は見たままの絡み酒でウザかった。 「まぁまぁ、長老困ってるし寝起きなんですから。長老そっちの方にお茶ありますから、それと八百屋さんはこれ」  なみなみとグラスに注がれたブランデーだったが、実はこの中には酔い覚ましや青汁が入っていた。 「良いブランデーだな、何処で手に入れたの?あぁ、あそこのピンクの長靴のオッサンか、良いの仕入れたんだな」  悪口を言いながらも、酒だけは褒める辺り器用だなと思いつつサラリーは長老の様子を伺う。  お茶を飲んですっかり目が覚めた様子で、川を見ていた。見たまんま長老だからだろうと思いつつさっきの八百屋の話を思い返して居ると。 「お前らと出会ってどれ位になるのかのう?もう五年、いや八年かな此処は本当に居場所じゃ」  目を細めて何やら物思いにふけっていた。  いつも一緒に騒がしくする老人であったが、この日は何故か酒もそこそこに考え込み寝る始末である。  サラリーは長老が何か悩んでいるのではないかと心配になっていると。 「何だぁ!二人とも花見だぞ!サラミでも食え!さっきからサラリーも酒が進んでないじゃないか!発泡酒が温くなるだろうが」  サラリーの肩に腕を回し、発泡酒の缶を八百屋が煽ったのを見てサラリーも続いた。
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