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そんな時、災厄は足音も立てずに突然やって来た。豪雨が何日にも渡って街を襲い川が氾濫し、街のあちこちが浸水した。人々の努力によって、復興がなされてきたと思った矢先に全国を大地震が襲ったのだった。そして、かつて経験した事も無い津波が押し寄せ街を蹂躙した。高層ビルは倒壊し多くの住宅が水に押し流された。全国規模で発生した、この災厄の後、一体どれだけの人々が生き残っているのだろうか。僕は幸か不幸か生き残っていた。しかし、家も職場も壊滅的な被害をうけ、行政にしても機能不全という状態だった。僕の周りに生き残っている者は殆どいなかった。これから先、一体どうすれば良いのだろう。もし、また何かしら災厄に襲われたら、もうどうしようもないだろう。
しかし、追い打ちをかけるように、それはやって来た。今度こそ、僕らの国は完膚なきまでに叩きのめされ跡形も無く消滅した。
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