旅の始まり

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「そうなんだ、確かに美味しそう!…これはなんて読むんだろう?ファーラエドー?」 「ハハハ、あんたは本当にばかねー、フォーレッドって読むのよ。社会に出たら、そんなばかは通用しないからね。会社では効率の良さが…」 (あー、また始まった。) 茜にとって自分を守る方法はばかを演じることだった。相手が笑えるように、母親が笑えるように。 憂鬱な旅の一日目はこうやって過ぎていこうとしていた。 そう、過ぎていくはずだった。
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