君のとなりにいたかった。

episode1 遠野瑞希

遠野 瑞希。19歳。性別『女』

でもその『性別』に違和感を感じ始めたのは、17歳の時だっただろうか。
昔から私服はメンズものが多かった。小さい時から好きなものは戦隊ものやテレビゲーム、男のが好きなものばかりが好きだった。

友達ができれば言われる言葉は「男っぽい」「かっこいい」
でも『俺』はそれが嬉しかった。

学年が上がるにつれて、女の子はおしゃれに興味を持って可愛くなっていった。
俺はそれについていかなくてはとみんなに合わせてメイクやネイル、履きなれないスカートを履いたりしてみた。
なんなら彼氏だって作った。

でもきっと、この出来事が『私』が『俺』であると、自覚するきっかけだったかもしれない。

これは『俺』、遠野 瑞希がトランスジェンダーであることを自覚するまでと、その後の葛藤の物語である。

拙い文章ではあるが、少しだけお付き合いをしてもらえないだろうか。
何を感じなくても良い。ちょっとした俺の独り言、なのだから。