0人が本棚に入れています
本棚に追加
2
コンビニでそんなに欲しくもない飲み物を買って、ぶらぶらと川に向かって歩き出してから、ふと考えました。
このまま近くの川に行ってしまうと、また別の母の友達に会うだろうし、機関銃の様に話しかけられても面倒くさい…
せっかくひとりの花火大会なのだから、この際ひとりを満喫しよう!と思ったのです。
私は少し遠くまで歩くことにしました。
普段はあまり通らない住宅街です。
新しい建売住宅が並んでいます。
2階のベランダでビール片手に花火を見ている人、友人を呼んだのでしょう、花火そっちのけで賑やかに家の前で騒いでいる人たち。
花火を楽しんでいる人たちに会うと、なんだかこちらまで楽しい気分になります。
良い気分でしばらく歩いて行くと、ひと気のない土手が見えてきました。
ここがいいかな!と土手を登りきると、涼しい風が髪を揺らしました。
花火も結構大きく見えます。
これは穴場なのでは?呑気に考えました。
本来ならこんなに花火が見えるのに誰も居ないなんて、もっと怪しむべきだったのでしょう。
でもその時の私はすっかりご機嫌になっていました。
最初のコメントを投稿しよう!