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3 一際大きな花火が上がり、少し遅れてバン!と大きな花火の音が響きました。 思わず目を閉じた瞬間に、急にそれは起こりました。 めまいに似た感覚と共に、周りに突然気配を感じたのです。 びっくりして目を開けると、今まで誰もいなかったはずの土手の上に、たくさんの人達がいるではありませんか! 頭の中が真っ白になりました。 なにが起きているのか全く理解できません。 一体この人達はどこから来たのでしょう…?それも一瞬で。 私は完全に固まってしまいました。 こんな理解出来ない場面に遭遇すると悲鳴も出ないのだと、妙に冷静に考えたのを覚えています。 周りの人たちはみんな楽しそうに花火を見ています。 ニコニコ笑顔で空に顔を向けて… でもそこであることに気付いて、私のうなじがゾッと逆立ちました。 ここにいる人たち誰一人として、話をしていないのです。 話どころか声ひとつ聞こえません。 大きな花火が上がると歓声が上がったりするものですが、ここでは全くそれすら聞こえないのです。 どう考えても異常な状況、ここに居てはいけない!とは思うものの動くのが怖い… 不用意に動こうものなら、この人たち全員が私の方を見るのでは… そう思うとますます動けなくなってしまったのです。
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