世界から魔法が消えるまで

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　イアンは気が付くと病院のベッドの上で寝かされていた。左目に痛みが走ったことは覚えている。自分の目の状態を確認するように、ぼーっと周りを見てみるが特になんの問題もなく普通に見えているためイアンは安堵しとりあえず手元付近にあるボタンで看護師を呼ぶ。
　少し経つと看護師が来た。
「…………！？」
　イアンは看護師の姿を見てすぐに自分の目の違和感に気づいた。
「ワーカーさん、目が覚めたようですね。…………どうかなされました？」
　イアンの驚いているような表情を見て看護師が質問をした。
「…………あっ、いや……なんでもないです……」
「…………そうですか。もし何かありましたらすぐ言ってくださいね」
「……はい」
　看護師はイアンの状態をある程度確認すると「これから検査をするので少しお待ちください」と言って部屋から出ていった。
　イアンが看護師の姿を見て気が付いた自分の目の違和感。それは看護師の周りにオーラのようなものが見えていた。そして咄嗟にそのオーラのようなものはマナだと思い、今では見ることができる人がいないであろうというマナを自分が見えるようだと誰かに知られたら、何か自分にとってあまり望ましくないことが起こる可能性があると思ったイアンは看護師に言うのをためらい黙っていることにした。