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 こんなに近くで世界樹を見るのは初めてだ。大きすぎて上の方が見えない。  そして肝心の世界樹周りのマナを見る。世界中にマナを生成しているにしては世界樹の周りに纏っているマナが少なすぎる気がする。いや、他の植物や人と比べると比較にならないほど多いのだが、まずマナが生成されているのであろう部分がちぐはぐだ。図書館で読んだ歴史の本からするともっと世界樹全体から溢れるようにマナが生成されているはず。  そのちぐはぐの一部、世界樹の根本辺りのマナが生成されていない部分をよくみると樹の表面に少し亀裂が入っていた。  それを見たイアンは考える。あくまで憶測だが、これはほぼありえないとされているはずの世界樹の枯れの前兆なのではないかと。イアンは急いで図書館へ向かう。  図書館に着くと片っ端からマナや世界樹、それらに関係するであろう本を何冊もものすごい集中力で読み漁った。
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