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 世界樹の付近に近づくとアレンがいた。アレンもイアンに気づく。 「……イアン? こんなところでなにをしてるんだ?」 「アレンこそどうしたの?」 「いや……俺はたまたまここを通りかかっただけだよ」  アレンは自分がここにいる理由をごまかした。 「そっか。……そうだ! アレン、手伝ってほしいことがあるんだ!」 「ん? なんだ?」  イアンは今世界樹に起きている状況などの情報をアレンに説明した。アレンはとてつもなく驚いた表情をしている。 「……そんな、そんなことがまさか……いや……可能性としては十分に考えられる。…………そして、辻褄もあっている……」 「さすがアレン! 今までの常識から考えると内容が突拍子もないから、信じてくれる人なんていないと思ってたけど僕の言っていることを理解してくれたんだね!」 「…………ああ、状況が状況だけに信じざるを得ないだろうな」 「それじゃあ!」 「ダメだ、俺は手伝うことはできない」 「なんで!」 「イアンの説明を聞いて大体なにをしようとしてるのか予想はついたさ。イアン……お前、世界樹を封印する気だろ」 「…………うん、そうだよ。アレンの言うとおりだ」  アレンはさすがエリートと言われるだけの魔法の技量があるからか、なんとなくにしろ世界樹に異変が起きていることには気づいていた。そしてそれが原因でこれから起こりうるであろう出来事の中の一つに『世界樹の封印』がある可能性も導き出していた。  アレンがこの世界樹の付近にいた理由。それは、その最悪の事態である『世界樹の封印』を阻止するためだ。なぜ阻止しようとするのか。誰にでもわかるはずだ。自分の最も優れた才能を他の人の手によって摘み取られてしまうとしたら。 「そんなことしたらどうなるかわかってるのか?」 「世界樹からマナは生成されなくなって、世界中からマナがなくなる」 「マナがなくなれば魔法が使えなくなる。そうしたら人類は終わりだ」 「僕はそうは思わない。人は、魔法がなくても生きていける、きっと」 「はぁ…………」
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