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しかし。
「……ごめんよ、アレン」
イアンの周りが光り出す。地面を見ると大きな模様が描いてあった。アレンが動きながら攻撃を仕掛けている間、イアンはそれを対処しながら気づかれないように準備を整えていたようだ。
大きく光った後、パンッと音が鳴り響きアレンは気を失ってその場で倒れ、同時に炎も消えた。
イアンはアレンと戦うことになってしまった罪悪感を抑え込みながら仕方がなかったことなんだと自分に言い聞かせ、一度深呼吸をするとすぐに世界樹のもとへ駆け寄り封印の魔術を始める。この封印とは世界樹の状態を現状のまま凍結させることで、新たにマナを生み出すことをさせず世界樹の状態を維持しさらに世界樹の姿を隠すことで他からの干渉も阻止するというもの。
「文明はまた最初から始まる。魔法がなくなった世界で」
世界樹の周りが大きく光り出した。
イアンは周りを見ると自分の置かれている予想外の状況に気づいた。
「……なっ! やばい! …………でも、仕方ないか……」
しかし自分のしている事が事なだけにそれを受け入れることを選ぶ。
ヴンッと世界樹付近が一瞬ぼやけ世界樹の活動は止まり封印の魔術によって姿は隠された。そして同時にイアンの姿も消えた。イアンは世界樹を封印する際にその魔術の規模の大きさから自分自身も封印されることになってしまっていた。
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