世界から魔法が消えるまで

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　図書館を出て家に着くとダイニングルームで母親と一緒に夕飯を食べる。点けっぱなしになっているテレビのニュースの一つが耳に入ってきた。どうやら最近色々なものに不具合が起きているらしい。日常的に誰もが使っているマナをエネルギーにして使う道具などが突然動かなくなったり、動かなくなったと思ったら何事もなかったかのように突然動き出したりするそうだ。
　家庭用魔法製品は自分の魔力を使用せずボタンを押したりすることで機械自体がマナを操り、その製品の用途に応じた動きをしてくれるため、イアンも日常的に使用している。
　物によってはそれなりの事故も起こりかねない危険な不具合だなとイアンは思った。
「こんなこと今までなかったのに突然どうなっちゃったのかしらねぇ。冷蔵庫とかが動かなくなったりしたら困るわ」
「そうだね。電話とかも使ってる最中に突然通話が切れたりしたら迷惑だし」
「外を歩いてる時は乗り物とかには気をつけるのよ。普通に止まってると思って前を歩いたら突然動き出してぶつかった事故もあったらしいし」
「うん気をつけるよ、お母さんも気をつけてね」