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 自室に戻りベッドの上で寝転がりながら今日、図書館で読んだ本のことについて思い出す。  イアンが特に気になった内容は二つあった。一つは、昔の人たちは普通にマナを見ることができたらしいということ。つまり今のように見えないのが当たり前ではなかった。時代が進むにつれてマナを見ることができない人が出てき始め、今では見える人がおそらく一人もいなくなってしまったみたいだ。そして二つ目は世界樹の存在。この辺りからならどこからでも見えるくらいのものすごく大きな大樹がある。誰も特に気にしていないがどうやらあれは世界樹というものらしい。ただの大きな木だとしか思っていなかったが、その世界樹がこの世界全体にマナを生み出しているようだ。正直いくらものすごく大きいからといって世界中に届くような規模のエネルギーを常に生成し続けているというのはなんとも信じがたい現実である。そしてその世界樹がもし枯れてしまうようなことが起こるとしたら地表のバランスが崩れ、大地が破壊されるであろうということらしい。しかし、さすがにそんなことはほぼありえないとのこと。今の時点で自然に何千年も勝手に活動し続けている樹なわけだし。  イアンは明日も図書館で他のことについても色々調べてみることを決めた。
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