第1章

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程なくして部長と鷲見先生も室内に入り、明日の予定について説明を始める。 「明日は体育館を使って定演の曲目を全部通しますーー」 その言葉に耳を傾けながら、俺は自分の前列に立っている少女を横目で眺めていた。 セミロングに伸ばした艶のある黒髪。整った顔立ちに活発そうな目元が見るものを引き寄せる。 身長こそ女子の平均ほどだが、メリハリのついた身体は同性にも羨ましがられるプロポーションで、彼女の努力がーー 「……何ジロジロ見てんの」 あまりに見過ぎていたためか、日高が俺に訝しげな視線を向けてきた。 「い、いや、何でもない」 「だったらこっち見ないで」 吐き捨てるように一言。日高はすぐに部長らへと視線を戻した。 反対に俺はというと、心臓が勢い良く鼓動していた。 危ない危ない。女子を敵に回すとどうなるか、嫌でも理解しているのだから気をつけないと……。 背筋を冷や汗が滴り落ちるのを感じていると、ちょうど部長達の話も終わったようだった。 「それではミーティングを終わります。気を付け! 礼!」 『お疲れ様でした!!!!』 今日の部活動が終了し、各自がそれぞれ移動を始める中、俺は友人たちと楽しげに話ながら歩いていく日高を眺めている。 駄目だな、俺は。本当に。 1人頭をかきながら、荷物を持って音楽室を後にした。
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