大発見!! 謎の巨大装置現る!!

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 古風な電気機関車の一部分、といってもいい通風口だとか、上部に設けられた重そうなハッチだとか……二人はエッジに丸みを帯びた立方体のそれが、何の為にある物なのかがわからずにいた。 「これが何だかかわかりますか、村上さん」 「さっぱり分からん。が、何か操作盤が付いている」  銅製の装置の右側面に、ランプと、数個の押釦がはめ込まれていた。 「『止停』とある」 「それって、右から左に読むんじゃないですか?」 「ああ、そうか。停止、運転、解放、閉止、非常とある」 「何を解放するんでしょうかねえ」 「……毒ガスでも解放されたら堪らん」 「まさか……あ、壁に灯のスイッチがありますよ、点けてみましょう」 「君は勇気があるなあ」  薄明るい裸電球に照らされたそれは、その全容を明らかにした。見れば見る程、何をする機械なのかが分からない。しかしそれは、現代にはない重厚な存在感を以てそこで稼働しているのだった。  ふと、白衣の彼が、傍らにある大学ノートを手に取り、埃をはたいた。彼は暫く、その塵埃に咽せた。 「人工冬眠装置、運転停止手順……理学博士、村上慎作……私の祖父の名前だ!」 「な、何です、その人工冬眠装置ってーのはっ!」 「とにかく一旦上に上がろう! どうやら我々は大変な物を発見したらしい!」     
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