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テンペスト
桃田カオリは密かにイサムとつきあっていた。メトロセクシャル(ファッションセンスがあって、料理も上手でセックスもガツガツしていない)なところがよかった。肉食と草食の中間くらい、デートなんかもラブホばかりじゃなく、博物館や本屋なんかも行く。
旦那は草食系で夜の営みもたまにしかない。
人の意見に左右されやすく、傷つきやすい。アメリカじゃSnowflakeって言うらしい。
『それじゃ仕事も長続きしないだろ?』
『そうね?今年なんか2回も仕事変わってる』
イサムに言われてカオリは頬を赤らめた。
ヘリはMHー47Eチヌークだ。乗員は5名、パイロット2名、チーフ乗務員1名、砲撃手2名。
パイロットは緑川リュウジ、紫式部タクミ。チーフは茶谷レイコ、砲撃手は灰原サトルと白河シンジ。
バックには知久の存在があった。
イサムはカラーボールみたいな球を天に放った。10分だけ不死身になる。
灰原サトルと白河シンジが7.62mmマシンガンをぶっ放した。
タタタタタタタッ!
だが、5人はビクともしていない。
チヌークの最大飛行距離は1255マイルだ。空中給油も可能だ。
チヌークは米陸軍特殊作戦コマンド所属の『ナイトストーカーズ』が保有するヘリだ。
緑川リュウジは暗視装置ゴーグルを装着したまま操縦している。
統合アビオニクス補助システムのおかげだ。
北米が日本領になって2年、緑川リュウジをリーダーとする『テンペスト』はGゼロワールド《指導権を発揮できる新しい世界秩序》を確立するために『イエローマン』を排除することを第1に考えていた。
茶谷レイコがラペリングを開始した。
バラバラバラバラバラッ!ローター音が耳を弄する。
レイコはアサルトライフルを効果しながらぶっ放した。左手だけでロープを掴み、右手でライフルをぶっ放している。
握力が通常の人間より発達しているようだ。
だが、黒木のタクティカル・マシンガンが唸った。黒木は敵を5人以上射殺すると毒タイプのスキルを発揮できる。
FNーM249MINIMIのPARAモデルだ。
グリーンベレーを倒したときに奪った。黒木も『テンペスト』の仲間だった。タクティカル・マシンガンはコンパクトなところが利点だ。ジャングル戦など狭い場所での戦いに有利だ。
ババババッ!茶谷レイコを倒した!
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