7人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんな……。
でも、これは夢。
そう。
ワタシが勝手に脳内で描いている、ただの夢なんだ……」
「そうですか。
喋る花を育てるあなたであっても淫魔は信じられないと。
ではもし、私がモニクさんに乱暴を働いてしまったとしても……」
「……バスさん?」
バスさんが1歩ずつ、ベッドの上のワタシに歩み寄って来る。
「……全てモニクさんが見た夢まぼろし。
ですね?」
「えっ? ちょっと……」
「普段は修道服に身を包んでいても、中身は女性だったという事ですね。
こうして異性を自分の寝室に招いている。
それも朝会ったばかりの異性を」
「そんな」
「何を怖がっているのですか。
これは全てただの夢なのでしょう。
せっかくですから楽しみましょうよ」
「楽しむって……?」
「この意味が理解できないほど、モニクさんは無知ではないはず」
「う……」
図星だ。
現にワタシの精神はともかく、肉体が反応している。
熱い。
まるで、食卓に並べられた作りたての料理のよう。
湯気が上がっていてもおかしくない。
「先程も言ったように私は淫魔です。
女性をとろけさせ、手中に収める事などたやすい。
その気になれば夢の中で女性を孕ませられる。
相手がシスターであっても例外ではない」
「バスさん……」
迫るバスさんからしりぞくように、ワタシはベッドに背中を預けた。
バスさんはその上に覆いかぶさるように両手を突く。
彼の両手に挟まれてワタシは逃げ場を失った。
互いの息が当たる距離。
香水か何かの香りが胸をより一層高鳴らせる。
これから起こる事をイヤでも想像してしまい、ワタシは目をつぶった。
「……ですが」
最初のコメントを投稿しよう!