おまじないメイクと模試

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 けれどしばらくそうしていたあと、上坂は、目をそらして思い切り大きなため息をついた。 「どうしたのよ?」 「…………………………何でもない」  そうして私の方を向かないまま私の手を取ると、今度はがっちりと指を絡めてつないだ。 「遅いし、送るよ」 「? うん」  なんだろう。  めずらしく無口な上坂と、私は駅へと向かった。
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