軽い男と図書館デート

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「一般的な趣味でないことは認めるけど、人の興味はそれぞれでしょ。私は、知ることが面白いの」 「知ること?」 「そう。どう言えばいいのかな……世の中には私の知らないことはたくさんあって……それを知ることで、私の世界は広がるの。だからとりあえずは、知らない本を読んでみて、やったことのないことはやってみて。そうやって知らない世界を知ることが、とても面白いのよ」 「へー……梶原さんって、そういう人だったんだ。ただ、頭がいいだけじゃないんだね」  上坂が目を丸くした。  ……これは、バカにされてるのか感心されているのか。 「それほど頭がいいつもりもないわ。ただ、必要だから勉強してるだけ。そっちの相談ならいつでも乗るわよ」 「いざとなったら、ぜひお願いします」  神妙な顔で私を拝み始めた上坂に、少しだけ頬が緩む。 「あ、笑った。梶原さんでも、笑うんだね」 「人をなんだと思ってるのよ。私だって、楽しきゃ笑うわよ」 「いや、鷹高クールビューティーの笑ったとこなんて、そうそう見られないから」 「鷹高……何?」 「知らないの?」  目を丸くした私に、上坂は面白そうに続けた。 「梶原さんと、小野さん。二人合わせて鷹高クールビューティーの双璧って呼ばれてんだけど」 「はあああ?」  私と冴子? 確かに、冴子は知的な美人だからそう言われるのもわかるけど、私は……
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